2010年9月24日金曜日

きちんとした議論を!!!

法曹界は法曹界で、政府は政府で言い分があるのは分かるけど…
どっちも自分たちの良いようにしか進めようとしないよね…。
目測が甘いって言うか…。もっと、修習生や法曹界を目指してる学生のための司法制度改革をしてくれればよかったのに…。
どっちにしても、犠牲になるのは法曹界を目指した学生だよ…?




◆社説:法曹養成制度 「将来像」の再検討を(9月24日毎日新聞)
法科大学院修了者を対象とした今年の新司法試験の合格者が昨年比31人増の2074人にとどまった。政府は02年、今年をめどに合格者を年3000人に増員すると閣議決定していたが、程遠い結果となった。
 21世紀の日本社会は、事前規制型から事後救済型となり、司法の果たす役割が大きくなる。それが「法曹人口増」の根拠だった。
 訴訟活動だけでなく、企業や公務員に弁護士資格を持った人たちが積極的に進出し、一方で、「社会生活上の医師」として、過疎地も含めた全国各地で、法的救済を求める人たちを手助けする--。そんな理想の旗が掲げられた。
 だが、法曹の需要が増えていないとして、弁護士会は、合格者の大幅増に反対し始めた。実際に合格者数は足踏みしているが、内実は「一定の質」を保った結果なのだという。ちぐはぐな現状である。
 政府は、法曹界の将来像について、再検討すべき時期にきている。ここ数年、法科大学院の志願者が減少を続けるのは、明確な未来が見通せないのが一因である。法曹界だけでなく、受け皿として期待された経済界や官界、自治体関係者も加わってほしい。適正な法曹人口についても、議論を深めたい。
 一方、新司法試験は今年が5回目だ。05年度の法科大学院修了者は、「修了後5年以内に3回」の受験資格が切れる今年までに約7割が合格した。この年は、法学部出身の「既修者」だけだ。社会人や法学未修者も含めた06年度、07年度修了者の累計合格率は40%台にとどまる。
 受験回数を重ねるほど合格率は低下傾向にあり、法科大学院修了者のうち最終的に法曹の道に進めるのは、約5割という数字が見えてくる。
 来年以後、相当数の受験資格喪失者が出る。彼らの進路について、政府は調査し、必要な対策を取るべきだ。有為な人材を生かすのは、社会全体のメリットになる。
 試験では、法科大学院74校中、上位15校で合格者の7割近くを占め、学校間格差が改めて鮮明になった。実績の低い法科大学院への公的支援額を減額する話も出始めた。
 もちろん、一定の淘汰(とうた)は必要である。だが、弁護士の大都市偏重を見直す観点からは、地方の法科大学院も一律に線引きするのは疑問だ。
 法学未修者の合格率が低いのも気がかりだ。法科大学院教育を踏まえ、思考力や適応能力を試す試験に転換するはずだったが、詰め込み的だとの批判がある。
 一定の社会経験がある人を法曹の世界に迎えるのは、制度の狙いでもあったはずだ。試験のあり方も見直すべきである。