2009年1月18日日曜日

地方で育てるということの意味

地方で一定数の数の弁護士を育てて弁護士の地方過疎をなくそうというのが大きな狙いとしてあった法科大学院ですが、実際には都会の名門校からの合格が多いのは事実ですし、無理して授業を行っている結果、学習の環境は十分でないという評価もされている以上無理やり地方でという考えやめた方がいいのでは?
地方で育ったから地方にいるという考えだってちょっと甘いですし。
そんなに愛着もてるんだったらこんなにも若者は都会目指して上京してきませんよ。

◆法科大学院:教員足りず質低下 乱立で合格率低迷(2009年1月8日 毎日新聞)

 訴訟社会の到来を見越して法曹人口を増やそうと設置された法科大学院が、定員の見直しや再編を迫られている。7~8割を目指した新司法試験の合格率が3割程度に低迷しているからだ。背景として、法科大学院自体の乱立による質の低下が指摘されている。裁判員裁判などの司法制度改革を控え、危機感を抱いた国は少数精鋭化に向けた定員削減を求めた。各校は2月以降、10年度の新定員を順次発表する予定だ。

 ◇学校間格差も顕著
 「修了者の7~8割が合格するという話を信じたが、現実は違った」。新試験に3回挑戦し、いずれも不合格だった埼玉県の40代の男性は肩を落とした。
 法学部生時代から法曹を目指し、旧試験も十数回受験した。あきらめきれず、04年に新設された東京都内の法科大学院に進んだ。だが、新試験には「法科大学院修了後、5年で3回」という受験制限があり、昨年9月の3回目の失敗で受験資格を失った。
 新試験の合格者は、初年の06年1009人(合格率48%)▽07年1851人(同40%)▽08年2065人(同33%)で、合格率は予想を大きく下回った。
 政府は02年、司法制度改革審議会の意見を踏まえ、年1000人程度の合格者を、10年までに年3000人程度に増やすことを閣議決定した。法務省幹部は「試験の成績をみる限り、目標実現は簡単ではない」と認める。
 一握りの上位校と下位校の実力差も歴然だ。合格率別学校数は60%台が1校(一橋大)、50%台が4校だったのに対し、10%台は21校、10%未満は9校、ゼロも3校あった。合格者数でみても、東京、中央、慶応、早稲田、京都の上位5校が全体の4割を占めた。
 当初想定された法科大学院の総定員は4000人程度。しかし、多くの大学が学生を呼び込む経営戦略の看板と位置づけたため、設立された法科大学院は74校に上り、総定員は約5800人に膨れ上がった。その結果、学生の質の維持が難しくなり、専任教員や実務家教員として期待された現職の検事や弁護士、裁判官は不足した。
 新司法試験に合格した司法修習生の実力低下も問題になった。08年には1年間の修習終了後の卒業試験で全体の6%に当たる113人が不合格になった。不合格者は翌年の試験まで事実上留年を余儀なくされる。最高裁は「実力にばらつきがあり下位層の数が増加している」と指摘した。

 ◇定員削減で改善へ
 国が念頭に置く法科大学院の改善策は、総定員削減と修了認定厳格化、学校間の連携などだ。少数精鋭化し、優秀な教員を効率的に配置することを目指す。
 昨年の文部科学省のヒアリングによると、19校が10年度入試から実際に定員を削減し、49校が定員見直しを検討すると回答した。しかし、文科省は納得せず、先月には事実上全校に定員削減を迫る通知を出した。
 中央教育審議会の法科大学院特別委員会も昨年9月、修了認定の厳格化▽適正な専任教員確保▽学校間の教育課程の共同実施などを提言した。
 こうした国の方針を受け、法科大学院側も改革に乗りだした。
 合格者が3年で1人だけだった姫路独協大(兵庫県姫路市)は、09年度から40人の定員を10人減らすことを決めた。島根、岡山、香川の3大学は、それぞれの法科大学院の共同運営を模索する。当面は共通講義を開くなどして、教員の質の維持や学生の競争意識の喚起を図る。合格者総数が8人にとどまっている島根大法科大学院の三宅孝之研究科長は「弁護士の偏在を解消するためにも、地方で一定の数を養成する必要がある。そのためには時代に応じた変容も大切」と話している。

2009年1月7日水曜日

中央省庁でインターンシップ

一部の大学ではすでに行われているそうだが、
今後の優秀な人材の確保に向けて中央省庁は法科大学院生を対象にインターンシップを行うとのこと。

法曹関係に興味を持っていても就職が困難な現状から考えると、
この制度に参加することで学生の進路が多少広がり良い方向に向くのではないだろうか。

◆霞が関に来れ、法科大院生 中央省庁で就業体験実施(東京新聞 2009年1月4日)

 人事院は4日、法科大学院生を対象とした中央省庁でのインターンシップ(就業体験)
を2009年度から実施することを決めた。司法制度改革による弁護士の急増で、法曹資
格を取っても法律事務所などの就職先が見つからない現状を背景に、法科大学院生を霞が
関に呼び込む狙いだ。
 中央省庁での就業体験は、政策立案能力の育成を目的に一部の大学が設置している公共
政策大学院を対象にすでに行われている。法科大学院生を受け入れる省庁や人数、期間な
ど詳細は未定だが、夏ごろに数週間、10数人程度を想定。実際の法案作成の作業実習な
どを検討している。
 人事院は「司法試験と国家公務員1種試験を両方受験する人もいる。公務員にも関心を
持ちながら法科大学院に進んだ学生もいるはず」と期待。新司法試験の合格率が低迷する
中で、少しでも多くの進路を確保しておきたい大学院側の思惑とも一致し、すでに複数の
大学院が院生の派遣を承諾しているという。