2009年3月22日日曜日

適性試験で足切り

合格率の低迷で今後の方針の見直しを行っている法科大学院に対して、中央教育審議会から
『入学試験者の下位15%を足切りに』という方針が提出された。
この入学試験と司法試験の相関関係はないとされているが、中央教育審議会はこの入学試験は重要だという意見。
とにかく合格率UP↑のために試行錯誤ですね。

◆法科大学院適性試験、下位15%門前払いへ…中教審特別委報告案
(2009年3月20日 読売新聞)

 法科大学院のあり方を検討している中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の特別委
員会は19日、入学試験の際に行っている適性試験について、総受験者のうち最下位から
15%を目安に門前払いにすべきだとする報告案をまとめた。
 適性試験は、入学試験の際に小論文や面接とともに行われている。司法試験の成績との
間に相関関係はみられず、配点を下げる法科大学院が増えているが、思考力や分析力など
見るうえで重要だと指摘。受験者の下から15%程度は門前払いにすべきだとした。

2009年3月1日日曜日

教育機会の均等を

教育は平等に受けることができなくてはいけない!
とはいっても、地方と都心部ではなかなか同じようにはいきませんよね。
事実、東京には多くの学生が地方から来ていますし。

法科大学院も同じことで、地方より都心部という傾向はないとは言えません。
弁護士の過疎、偏在の問題を解決していくには地方の法科大学院へと学生を誘導し、地域で育て、とどまってもらうことをしていかないとですね。

◆法科大学院 (4)地方で深刻 統廃合の影(2009年2月14日 読売新聞)

 地方の小規模大学に法科大学院の統廃合の影が忍び寄る。
 通称「四国ロースクール」は香川大学(高松市)のキャンパスの一角にある。愛媛大学(松山市)と一緒に設けた全国唯一の連合法科大学院だ。豊島(てしま)の産業廃棄物不法投棄問題など、環境問題に縁の深い土地柄だけに、環境法に力を入れるなど、地域に根ざした法曹養成を掲げている。
 普段の授業が行われるのは香川大だ。松山から電車で移動するだけで約2時間半かかるため、憲法や行政法などを担当する愛媛大の教員5人は、授業のある日には高松に泊まる。愛媛大では夏休み、弁護士とともに法律相談の科目「リーガルクリニック」の集中講座を開く。
 香川大は四国の国立大で唯一の法学部を持つが、法律、政治、文学などを学ぶ愛媛大の法文学部は四国で最も歴史が古い。最初は双方が独自の道を模索したが、単独では教員確保も難しかった。
 だが、新司法試験合格者は2007年、08年ともに3人(受験者数は07年9人、08年21人)にとどまった。四国は弁護士過疎地域を抱え、弁護士数は4県で最多の愛媛でも116人、最少の徳島では60人にすぎない(08年3月現在)。
 法科大学院制度の狙いの一つに弁護士過疎の解消もあった。中山充・連合大学院研究科長は「地域に良い法曹を供給するため、2けたの合格が欠かせない」と力を込める。
  ◎
 昨年12月、連合大学院では、互いの授業を参観し合う期間を設け、問題点を指摘し合った。中旬には教授らが、合格者を多数輩出している首都圏の伝統校のカリキュラムを検討した。検討には1校3時間を超える例もあった。
 昨年9月には、5割を超える合格率を出している神戸大学を訪れ、教員の話を聞いた。
 さらに、連合大学院では、岡山、島根両大とともに、08年度からカリキュラムや成績評価システムの共同化での連携を進め、3大学院相互で授業参観もしてきた。
 カリキュラムや成績評価の「共同化」は、共同大学院の設置につながるとの見方もある。連合大学院が出す学位は最終的には、いずれかの大学のものになるが、昨年11月に制度が改正され、共同大学院として、複数の大学や大学院が連名で学位を授与できるようになった。
 共同大学院構想には、地理的に中間地点で、法曹養成でも実績のある岡山大が積極的だが、他大学は慎重だ。事実上の統廃合につながりかねないからだ。1月中旬、3大学の学長が岡山大に集まったが、共同大学院の設置問題には触れずじまいだった。
 愛媛大の小松正幸学長は「共同大学院になれば、四国に法科大学院は事実上なくなる。学生への負担が大きすぎる」と強く反対する。
 地方国立大の法科大学院には、弁護士会が支援基金を設けるなど、地元の威信もかかる。定員削減を求める声が高まる中、弁護士偏在解消や教育の機会均等の確保の観点も忘れるわけにはいかない。

 法科大学院の全国分布
 法科大学院74校(国立23、公立2、私立49)のうち、東
京都内(24校、定員2610)と近畿(15校、同1420)で定員のほぼ7割を占める。その他の学校数と定員は、北海道2校(130)、東北2校(150)、東京以外の関東8校(430)、中部11校(495)、中国4校(200)、四国1校(30)、九州・沖縄7校(330)。