2010年5月28日金曜日

初の撤退

全国的に受験者が減っている中、一番最初の撤退はこちらの法科大学院となってしまいました。。。残念な結果ですね。
今まだこの大学院で勉強している学生も、なんだかかわいそう。
全部で17人っていうのも、少なすぎですけど。。。
この17人の多くが無事司法試験に合格して立派な弁護士さんになれるといいですよね☆

◆法科大学院 初の撤退へ(5月28日読売新聞)
姫路独協大が募集停止
姫路独協大法科大学院(兵庫県姫路市)は27日、2011年度以降の学生募集の停止を決めた。新司法試験で合格者数が低迷、10年度の入試では合格者がいなかった。在校生17人が修了する時点で大学院を廃止する見込みで、04年度に各地で一斉に開校した法科大学院で初の撤退となる。
 同大学によると、26日に開かれた教授会で「法曹界で活躍できる学生の確保は困難」との考えで一致。運営する学校法人「独協学園」の27日の理事会で募集停止が承認された。近く文部科学省に報告する。新司法試験では、同法科大学院の合格者は開校以降、これまで3人と、全国74校中最少。1月に行われた10年度入試では、定員20人に対して受験者は3人で、合格者はおらず、再試験も行わなかった。

2010年5月26日水曜日

もっとアピールを~

このまま行けば後半年で貸与制へ移行してしまいます。
問題は提起されていてもなかなか給費制維持の回答でないまま今日まで来てしまってるって感じ。
これは、大事な問題だからもっともっと世間にアピールして多くの人に問題意識をもってもらいたいですよね


◆司法修習生給与維持を 県弁護士会が緊急決議(5月26日読売新聞)
県弁護士会(市丸信敏会長)は25日、福岡市で定期総会を開き、司法修習生に給与を支給する「給費制」の維持を求める緊急決議を採択した。
 給費制は国が司法修習生に修習期間中の給与を支払う制度。国の財政事情などを理由に11月に廃止されることになっており、廃止後は必要な者に生活資金を貸す「貸与制」が実施されることになっている。
 決議では「最近は法科大学院の費用が多額に上っている。さらに給費制がなくなれば、経済的理由で法曹の道を断念する人たちの増加が懸念される」と指摘。「給費制を廃止することは法曹の養成を国が放棄することになる」として、給費制の存続を訴えている。
 このほか、法的な援助が広がっていない中小企業に対し、法律に関する情報を提供したり、専門団体と連携を深めたりすることを目的として、「中小企業への積極的な法的支援を行う宣言」も採択した。

2010年5月20日木曜日

裕福な人の職業なの?

こんなにインターネット上では意義を唱えて、反論しているのに、地上波ではちっともこの件に関しては放送されていないような気がする。。。
これってとっても大事な話だから、法律を勉強していない人たちにも知ってもらって運動を広げていかないと、せっかく司法試験を合格しても弁護士が減って行ってしまいます!!

◆「法律家、裕福な人しか…」司法修習生の給与廃止に異議(5月19日asahi.com)

 司法試験に合格した司法修習生に対し、1年間の研修中の給与を国が支払う「給費制」から、必要な人に貸す「貸与制」に11月から移行するが、日本弁護士連合会が「裕福な人しか法律家になれない」と異議を唱え始めた。4月に就任した宇都宮健児会長は「運動を盛り上げ、世論を動かしたい」と意気込むが、ハードルは高い。
 「新たな制度では私は弁護士になれなかった。どんな法律家が必要かは、市民の権利を守る上で大きな問題だ」
 日弁連が18日に東京・霞が関で開いた集会で、宇都宮会長が呼びかけた。司法試験を2日前に受けたばかりの女性(33)や修習生らが、数百万円の借金を抱えている現状を訴えた。
 だが、給費制の維持には裁判所法の改正が必要。弁護士以外で問題への関心は高くなく、集会でも「法律で決まったことをひっくり返すのは不可能に近い」との声も出た。
 会長選で主流派候補を破って就任した宇都宮会長にとっては目玉政策で、得意の消費者運動の手法を活用する作戦のようだ。今後、各地の集会で世論に訴え、署名や陳情で国会議員にも働きかけ、法改正につなげたい考えだ。
 2004年に開校した法科大学院制度は、社会人など多様な人材を受け入れることを目指したが、司法試験合格率の低迷もあり、社会人の受験者数は減っている。2~3年間で数百万円となる学費負担に加え、給費制が廃止されると、修習中の生活費約300万円が新たな負担となる。
 法務省や最高裁では「給費制を維持する法改正は厳しい」との見方が根強い。ある法務省幹部は「実際に現場で働く研修医と同じように国費で養成すべきだ、と国民が理解してくれるだろうか」と指摘する。(河原田慎一、延与光貞)

2010年5月13日木曜日

経済的負担

予備試験が受験可能になれば、こちらを受験する人の方が増えてしまいそうな気がするのですが・・・。
だって、大学院に通うってことは、学費が必要なわけだし。
予備試験の場合、大学院に通わなくても受験出来ちゃうんですから!!その方が近道に感じるし、経済的負担は少ないですもんね。

◆法科大学院曲がり角、5年目の新司法試験始まる(5月13日読売新聞)
合格率広がる格差 再編・統合は必至
法科大学院修了生を対象とした5年目の新司法試験が12日、4日間の日程で始まった。
 過去最多の8163人が受験したが、合格率の低迷は今年も続く公算が大きく、多様で優秀な法曹養成という目標実現への道は険しい。実績の低い法科大学院は今後、統廃合も必至で、大学院別の合格率にも注目が集まる。
「受け控え」
 今回は1万908人が受験予定だったが、4人に1人が「受け控え」た。受験できる回数が法科大学院修了後の5年間で3回までと制限されており、実力が不十分なまま受験するリスクを避けた人も多いとみられる。
 「正直言って、制度にだまされたという気持ち」。試験初日を終えた千葉県の男性(36)は不満を漏らした。5年前、9年間勤めた商社を退職して法科大学院に進み、今回は2回目の受験。借りた奨学金は700万円近くに上るという。
 政府は当初、新司法試験の合格率を7~8割と想定し、合格者数を2010年頃までに3000人程度とする目標を掲げていた。しかし、昨年の合格者は2043人と初めて前年割れし、合格率は約27・6%。今年も同程度の合格者数ならば、合格率は25%程度に下がる。
法科大学院離れ
 合格率が低い背景の一つには、当初20~30校、総定員4000人程度と見込まれた法科大学院が74校も開校し、定員も約5800人に膨らんだことがある。
 法科大学院の入学志願者は、一斉開学した2004年度の入試では7万2800人いたが、今年度は2万414人。志願倍率も13倍から4・2倍にまで落ち込んでおり、法科大学院離れは深刻だ。中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の特別委員会の昨秋の会合では、ヒアリングに招かれた修了生から合格率の低さや経済的負担の大きさが指摘され、「後輩に法科大学院に行くことは勧めません」といった発言が相次いだ。
撤退検討も
 各校の合格実績の差も大きい。合格率60%超の法科大学院がある一方、過去4回の試験で合格率が全体平均の半分に満たない状態が3回以上続いた大学院が9校に上る。
 過去の新司法試験で合格者が1けただった姫路独協大は、今年度の入学募集で定員20人に対し受験者が3人、合格者はゼロだった。来年度も募集するかどうかは未定で、撤退も視野に今後検討するという。文科省は、再編・統合が必要と考えており、今後合格実績が低迷する大学院への交付金や補助金を削減する方針だ。
 ある法務省幹部は「再編・統合が進めば入試も厳しくなり優秀な学生が入学する。生き残った大学院には優秀な教員がそろい、教育の質も高まるはず」と指摘している。
「別ルート」予備試験に注目
 法科大学院を修了していなくても受験できた旧司法試験は今年で最後となり、新司法試験に一本化される。法科大学院を経ずに法曹を目指す人は、来年から新たに導入される「予備試験」をパスしたうえで新司法試験に臨むことになる。
 予備試験は、経済的な理由で法科大学院に通うことが困難な人や、働きながら勉強を続ける社会人を念頭に、例外的なルートとして設けられた。合格すると翌年以降の司法試験の受験資格を取得することができる。
 法科大学院関係者は、この予備試験を経た人の司法試験合格実績に気をもんでいる。予備試験を利用する人の方が高率で合格するようであれば、法科大学院に入ろうとする学生が減る可能性もある。そうなれば、「中核的な法曹養成機関」と位置付けられた法科大学院の存在意義や、ひいては司法制度改革の意味まで問われかねない。

2010年5月10日月曜日

市民目線

裁判員制度の導入も「市民目線」「市民感覚」に近づいた理由の一つと言えると思います。
そこに、私情は挟んでいないのかな?って疑問に思ってしまうこともありますが、法律家ではない私たちが私情を少なくとも持ちながら事件を見てしまうのは仕方のないことだと思う。
そうしたことも踏まえた上での判決ならば、より、市民に近づいた市民のための答えですよね

◆司法と市民目線/問い直されるバランス感覚(5月10日河北新報社)
政治や行政が絡む訴訟で最近、注目すべき判決が相次いでいる。「画期的」といった受け止めが多く、司法判断が「市民の感覚」に近づいてきているようにみえる。 4月27日に大阪高裁であった滋賀県の行政委員の月額報酬をめぐり、弁護士が県に支出差し止めを求めた住民訴訟の控訴審判決。選挙管理委員長を除く各委員について「裁量の範囲を逸脱して違法」と判断し、県側の控訴を棄却した。 高裁判決は月額制が認められる場合の基準を示した上で勤務実態を検討。月平均2日前後の勤務日数の少なさを重視した。業務の内容を精査、勘案する必要があるにしても、高裁の認定は「市民の常識」に映る。月額制の違法性を認めた高裁初の判断だといい、今後、各地で見直しが進むとみられる。 最大約2.30倍となった昨年8月の衆院選小選挙区は憲法違反だとして選挙無効を訴えた「1票の格差」訴訟の判決。全国8高裁・支部で計9件の訴訟が起こされ、4件が「違憲」、3件が「違憲状態」と断じた。 「投票価値の平等」は国民の重要な権利だ。自分の1票が他人の半分にも満たない状況を、誰だって容易に受け入れられるものではない。最高裁は昨年、2007年の参院選をめぐる格差訴訟で「違憲」の判断こそ避けたものの、相当に踏み込んだ。そうした流れを受けると同時に、政治の変化も無視できないだろう。 従来、公権力が相手の訴訟で、司法はややもすると腰が引けているとの指摘を受けてきた。昨年の政権交代で「永久政権の重し」が取り除かれ、「三権分立」の原則をより貫きやすくなったのかもしれない。 4月に東京地裁であった沖縄返還をめぐる密約文書開示請求訴訟の判決も、密約の存在を認め国に文書開示を命じるなど、原告の全面勝利とした。原告側は「提訴後、政権が交代し国側の出す書面ががらりと変わった」と述べた。選挙結果に示された「民意」が政府の対応を変え、判決を後押しした形だ。 司法は政治におもねってはいけない。もとより、理想に走り過ぎることで、政治や社会の安定感を著しく損ねてもまずい。現実遊離を避けて、慎重な判断に傾くのもある意味、当然だろう。その一方で市民目線とのずれを軽視するならば、司法は確実に信頼を失う。 刑事事件では一般市民が裁判官と一緒に判断する裁判員裁判が昨年5月に導入された。司法改革の要で、検察審査会の権限強化とともに、刑事訴訟に市民の感覚を取り入れるのが大きな狙いだった。市民の目を意識したバランス感覚が必要という点で、行政が対象の訴訟も変わるところはない。