2010年6月7日月曜日

停止・撤退の波紋

姫路独協大法科大学院の学生募集停止・撤退の波紋は広がってるみたいですね。
同じ状況にある所は気が気ではないですよね!
こんな状態にしてしまった政府の責任もあると思います。
ちょっと考えれば予想できた事態ですからね~


◆法科大学院 理念倒れの現状を改革せよ(6月6日読売新聞)
法律家の養成機関としての役割を担えない法科大学院は淘汰(とうた)される。それは、やむを得ない流れといえるだろう。
 兵庫県姫路市の姫路独協大法科大学院が、2011年度以降の学生募集を停止することを決めた。現在の在校生17人が修了する時点で、大学院を廃止する見込みだという。
 修了すれば新司法試験の受験資格が得られる法科大学院は、04年に各地で開校したが、撤退が決まったのは、今回が初めてだ。
 姫路独協大法科大学院の修了生で、新司法試験が始まった06年から09年までの合格者は全74校中、最少の3人にとどまっている。
 合格者が出なければ、学生も集まらなくなる。10年度入試では、定員20人に対して、受験者が3人で、いずれも不合格だった。
 教授会が「法曹界で活躍できる学生の確保は困難」と判断したのも、うなずける。法科大学院の乱立が招いた結果である。
 新司法試験の合格率は昨年、3割を切った。実績を残している大学院と、そうでない大学院との二極化が鮮明になってきている。下位校では、姫路独協大と同様の状況に陥りつつある大学院も少なくないだろう。
 入学志願者が減り、定員を削減した大学院も多いが、これは対症療法に過ぎない。今後は、適正な大学院数にするための統合や再編も避けられまい。
 法学部出身者に限らず、幅広い分野から法曹界に人材を集める。即戦力の法律家を養成する。こうした目的で、法科大学院が開設され、実務教育を重視したカリキュラムが組まれている。
 しかし、大学院の授業だけでは司法試験に合格できないとして、予備校に通っている大学院生が多いのが実情だ。
 一方で、大学院側が合格率の向上を目指し、試験対策に特化した教育をすると、評価機関から「不適合」の烙印(らくいん)を押され、改善を迫られる。法科大学院の理念に合致しないとの理由からだ。
 今後、評価のあり方を再検討し、型にはめた法科大学院の教育内容に、ある程度の自主性を認めることが肝要だろう。
 新司法試験の内容の見直しも不可欠である。詰め込み型の試験教育を受けないと、合格が難しいのであれば、旧司法試験の時代と変わらない。
 司法制度改革の柱の一つとして導入された法科大学院制度だが、歪(ゆが)みを早急に正さないと、その存在意義が問われることになる。