2009年11月10日火曜日

新しくできなかったね・・・

社会人経験者の受け入れ体制は整って無かったんでしょう。
それ以前に、受け入れるつもりがあったのか?って感じですが。
一昔前の終身雇用の考えが薄くなったとはいえ、職業を変えるってことに対してまだまだ反発する業界もありますからね。
新司法試験は今までと同じような人が受かるようになってるってことで、全く”新”でなかったってことです。

◆法科大学院、社会人苦戦…新司法試験の合格率2割切る(2009年11月7日 読売新聞)

「法学部出身」枠増やす動きも
 法律の知識だけでなく、幅広い視野を持つ法曹を育てたい――。

 そんな思いで社会人経験者の教育に力を入れてきた法科大学院が苦境に立っている。今年で4回目を迎えた新司法試験で、社会人経験者らの合格率は2割にも満たなかったからだ。合格の可能性が高い法学部出身者の枠を増やすなど、これまでの教育方針を転換する学校も出てきた。
 法学部以外の出身者や社会人経験者を主とする「未修者コース」(3年)に絞り、夜間のみ開講している筑波大法科大学院。「家族もいて、学費も捻出(ねんしゅつ)しなければならない」と語る30代の男性会社員の学生は、平日は仕事帰りの夕方から、土曜は終日、授業を受ける。
 ただ、同大の学生の勉強時間は、昼間も勉強できる他大学の学生と比べれば少なく、今年の新司法試験の合格者は3人(受験者は34人)。「豊富な経験を持つ法曹を育てるという司法制度改革の理念に沿った教育体制と自負しているが、現実は厳しい」と新井誠専攻長は悩ましげだ。
 早稲田大法科大学院は、法学部出身者の「既修者コース」(2年)の学生が1割、未修者コースの学生が9割と、社会人経験者の教育に力を注いできた。しかし、既修者コース中心のライバル校に後れを取り、今年の全体の合格率は、東大56%、慶応大46%に対し、早大は33%だった。
 このため、早大は2011年度入学者から、法学部出身者の枠を大幅に広げることを決定。定員270人中150人は既修者コースになる。教務担当の古谷修一教授は「受験で勝てる方にかじを切らざるを得ない」とため息をついた。
 鹿児島大の法科大学院は、地域で司法サービスを担う法曹の養成を掲げてきた。学生は種子島などの離島で3泊4日の法律相談実習を行い、弁護士と一緒に、土地の境界線を巡る紛争などの相談に乗っている。しかし、今年の合格者は2人だけ。来年度からは、学生に大規模校で刺激を受けさせるため、九州大との交換留学制度を始めるという。
 今年の新司法試験の合格率は28%で、既修者は39%、未修者は19%。大学院側には「未修者は3年の勉強では既修者に追いつけない」という声が根強く、日本弁護士連合会法科大学院センターの中西一裕弁護士は「出題方式など新試験のあり方を再検討する時期に来ている」と指摘している。