2009年8月8日土曜日

一定の理解を得ました

裁判員裁判、始まる前はあんなに否定的な声が多かったですが、始まってしまえばね。
ただ、法科大学院の方針については始まってしまったとは言えもう一度考え直す必要あるんじゃないですかね?

民意を汲む法曹へと変化していく中で象徴となる裁判員裁判が成功していくといいですね。

◆初の裁判員裁判始まる 「社会支える」新たなスタート(8月4日 産経新聞)

 法律の専門知識を持たない国民が、裁判官とともに法廷に立ち、証拠ややり取りを見聞きして被告を裁く裁判員裁判が始まった。

 裁判員裁判は国民の司法参加という側面はもちろん、分かりやすく迅速な審理を実現するために、検察、弁護側双方の立証・主張手法を変える。さらに取り調 べの録音・録画をはじめ、捜査にも影響を与える。今回の第1号裁判には、昨年12月に導入された被害者参加制度に基づき、遺族も出廷する。

 従来とは大きく変わる今回の法廷は、刑事司法だけでなく、民事や法科大学院など、広い分野で進む司法制度改革の“象徴”ともいえ、改革全体が円滑に進められるかどうかを占う試金石にもなる。

 また、3日の裁判員選任手続きは、国民の参加意識を測る指標にもなった。内閣府の世論調査では、7割が裁判員裁判に参加する意向で、検察・裁判所関係者 は「一定の理解を得た」と評価していた。ところが、3日の東京地裁には、裁判所に出向くべき候補者49人中、47人が訪れた。事前に辞退を柔軟に認めてい たとはいえ、認知度と参加意識の高まりを物語っている。

 この制度は、裁判員はもちろん、候補者段階から国民に時間的、精神的負担を強いるものだ。ただ、それでも務めることで、やりがいや社会を支える実感を持 てる制度に育てていかねばならない。併せて、司法に対する信頼を高める契機にもしないといけない。法曹三者のみならず国民も含めて、新たなスタートライン に立ったことは間違いない。

2009年7月16日木曜日

画期的なシステム!

司法の場でのIT技術の進歩に合わせるように法科大学院でも新たな試みが始まっています。
自分が大学生の時には考えられないような環境になりつつありますね。
鉛筆とノートの持ち込み禁止なんて、信じられませんよ!
技術の進歩はすごいです。

ただ、鉛筆にノートといったアナログの暖かさってなくなってほしくないなぁと思いますね。
必要のないところはアナログでお願いします(^^)v

◆最先端ITで弁護士育成 九州・沖縄の4法科大学院連携(2009年7月13日 朝日新聞)

 スクリーンの中で熱弁をふるう教授がいるのは、数百キロ離れた別の大学。ノートと鉛筆は持ち込み禁止。メモはパソコンで打ち、学生同士の討論もチャット(ネット上の雑談)で行う――。テレビ電話会議システムを使った講義が九州・沖縄の4大学の法科大学院で行われている。IT(情報技術)を活用した遠隔授業で、質が高く、司法過疎を見据えた未来型弁護士の育成を目指す。

■ノート禁止 PCのみ、チャットで討論
 福岡市東区にある九州大法科大学院の教室。約50人の学生の前には、黒板の代わりに三つの大型スクリーンが並ぶ。教授は教室に設置された6台のカメラをパソコンで操り、講義する自分自身の顔、発言する学生、教室の全景を代わる代わるスクリーンに映す。
 同時刻、約300キロ離れた鹿児島市の鹿児島大法科大学院の教室で、学生たちが同じ講義を受けていた。三つのスクリーンには九州大と同じ映像が映る。
 質問しようと鹿児島の学生が手を挙げた。福岡にいる教授が鹿児島のカメラを遠隔操作し、学生が大写しになる。画面を通した専門的な会話が一対一で繰り広げられる。教授と学生のやりとりはスムーズで、気になる時間差は全くなかった。
 スクリーンによる授業は、九州、熊本、鹿児島、琉球の国立4大学の法科大学院が連携して進める最先端の遠隔講義システムだ。NTTに開発を依頼し、1校あたり数千万円をかけて導入した。他の大学院との差異化をはかり、競争に生き残るべく、04年から運用を始めた。運用の中心を担う米田憲市・鹿児島大法科大学院教授は「最先端システムを、法曹を目指す学生が使っている」と胸を張る。
 講義中、学生の手元にあるのはノートパソコンだけ。キーボードに視線を落とさずに文字を打つ「ブラインドタッチ」を身につける目的で、一部授業はノートと鉛筆が持ち込み禁止だ。九州大法科大学院2年の梶田崇雄さんは「大学時代は紙とペンだったので驚いた。むしろ、パソコンは持ち込み禁止、という考えがあったから」と話す。
 この時行われた講義では、学生が班別に行った架空の法律相談を全員で検証した。議論はネットを通じたチャットで行った。教室に響くのはキーボードをたたく音だけだ。パソコンの画面には「俺(おれ)、過去の判例調べてみる」「よろしく~」とのやりとりが。教授もチャットに参加し、「判例を集めたネット上のデータベースを使うとよい」と助言を送った。

■講義の充実など狙う
 遠隔授業の狙いは、大きく二つある。
 一つは、講義内容の充実だ。九州・沖縄の各法科大学院は、学生数や司法試験合格者数で首都圏に及ばない。
 法科大学院創設から5年の鹿児島大で学ぶ学生は30人。この間、司法試験の合格実績は年1人か2人。ITを駆使した授業に、九州大の西山芳喜法科大学院長は「地域の大学力を高めるためには、互いに手をつなぎ合うことが必要」と意義を語る。
 各校の教員が、それぞれの専門分野や得意科目を受け持って複数の大学向けに教えることで、限られた人材で質の高い講義を提供できる。現役弁護士や裁判官など、実務家教員の講義を共有できるのも魅力だ。
 複数の教員が協力して一つの講義を進めることもできる。また、専門分野が重なる教員にとっても、お互い、研究・教育上の刺激になると大学側は期待している。
 もう一つの狙いは、過疎化する地方の法曹界への対応と、ITに強い法律家育成だ。
 離島が多い鹿児島や沖縄では、離島の住民が法律相談をしたくても、弁護士側が「移動時間と費用がかかりすぎる」などの理由で断る場合も少なくない。そんな悩みを抱える住民の声に応えるため、鹿児島大が中心となって、このシステムを推し進め、他大学を巻き込んだ。鹿児島大は、テレビ電話を活用して法律相談を行い、電子データで資料をやりとりするという将来像を描く。また弁護士が少ない過疎地でも、都市部と同じレベルの司法サービスを住民に提供したいと考えている。
 ある司法関係者は「法曹界はIT普及が最も遅れている業界の一つで、資料のやりとりもいまだにファクスが主流。優秀な弁護士だが、パソコンを使いこなせないという人もいる」と指摘する。学生時代からパソコンなどに慣れ親しむことによって、ITに苦手意識を持たず、使いこなせるようになると期待されている。
 一方、裁判員裁判の導入で日本の法廷も口頭主義になりつつある。パソコンに向かうだけでなく、人と直接やりとりするコミュニケーション能力を高めることが法律家には必要だ。
 鹿児島大は、IT講義とあわせ、少人数で行う討論やカウンセリング、模擬裁判などの演習科目を重視する。学生が実際に離島に出向き、相談者と面会してアドバイスをする法律相談実習も必修科目にしている。米田教授は「司法過疎地が多い地方の弁護士には、直接対話はもちろん、ネットを通じたコミュニケーション力が求められている。IT講義で、弁護士になれば必要になる、この二つの技術を磨いてほしい」と話した。

2009年6月23日火曜日

法曹界の人気

法科大学院の定員削減数が具体的に出て来ましたよ。
その前に、74校も法科大学院があることを知らなかったのと、その半分以上で定員割れがおきていたなんて、法曹界の人気のなさが表れてるんですかね。
これからも法科大学院の対策は出てくると思いますが、まずは一つ目の定員削減がどのように影響してくるのか注目が集まりそうです。

◆法科大学院は多すぎるのか 低迷する入学者数、教育の質、司法試験合格率
(2009年6月21日 MSN産経ニュース)

 裁判員制度とともに、司法制度改革の柱として創設された法科大学院が迷走している。
入学者の減少、教育の質、司法試験合格率の低迷…。法科大学院協会幹部の口からでさえ「進路として魅力が低下している」との声がもれる。「このままでは三権の一角が崩れる」との指摘も出始めた。打開策はあるのか-。

 「もっと何とかならないか」…データ公開の衝撃
 「いよいよ文部科学省が“外堀”を埋めてきた」

 地方にある小規模の法科大学院関係者はこう話す。文科省が6月5日、中央教育審議会(中教審)法科大学院特別委員会の会合で示した資料に危機感を強めているのだ。
 資料には74法科大学院別の今年度入学者の定員、志願者、受験者、合格者、入学者、競争倍率などが載っており、その内容は新聞各紙で「倍率2倍未満42校」「志願者総数3万人割れ」「59校定員割れ 13校は5割下回る」などと報じられた。同省がここまで数字を出したのは初めてだ。
 文科省の担当者によれば、「4月にまとめた特別委の報告書でもこれらのデータを公開するよう求めており、当然、各大学院において公表すべき内容」だが、入学者数などの一部データをこれまで公表していなかった法科大学院には衝撃だった。
 実はその4日前、法科大学院協会による全校アンケートで、来年度約700人の定員削減や教育改善策が公表されたばかりだった。「文科省の資料提示はアンケートの内容ではまだ生ぬるい、足りないという姿勢の現れじゃないか」とみる法曹関係者もいる。
 実際、昨秋文科省が全校を対象に行ったヒアリングの際、「今回のアンケートで答えた削減案を伝えたところ、『もっと何とかならないか』と言われた。次の入試の志願者状況を見て考えなくてはいけないと思っている」と首都圏の法科大学院関係者が明かす。

「お金と時間がある人しか行けない」…理念崩壊
 そもそも、法科大学院は政府の司法制度改革審議会が平成13年の意見書で打ち出し、「司法が21世紀の我が国社会において期待される役割を十全に果たすための人的基盤」の確立を目的に創設された。
 2-3年の修了者に司法試験の受験資格を与え、「『法の支配』の直接の担い手であり、『国民の社会生活上の医師』としての役割を期待される法曹に共通して必要とされる専門的資質・能力の習得と、かけがえのない人生を生きる人々の喜びや悲しみに対して深く共感しうる豊かな人間性の涵養、向上を図る」という教育理念で社会人経験者や法学未習の他学部出身者など多様な人材を求めた。
 一方で規制改革、自由競争の方針から設立申請を制限せず、16年に68校、17年には6校が開校、総定員は5795人となった。法曹人口増員をうたい、司法試験合格者は15年の約1200人から段階的に増やして22年で約3000人にするとされたが、それでも半数近くが落ちる計算だ。
 18年にはじまった新司法試験の合格率は、当初想定の7~8割を下回り48、40、33%と年々ダウン。地方の国立大、小規模の私立大などを中心に入学者、教育の質が問題視され始めた。
 こうした事態に、弁護士で司法試験、法科大学院受験指導の「伊藤塾」塾長、伊藤真氏は「当初の理念が崩れている。社会人経験者、他学部出身者は減り、お金と時間のある人しか行けない。(修了後5年以内3回の司法試験)受験回数制限も精神的負担。司法試験に落ちたら、大学院側に(就職の)手当てはなく放り出される。これでは誰も目指しませんよ」と話す。
 その結果、「優秀な人材が法曹界に入らなくなれば三権の一角が崩れる。司法権はある意味最大の国家権力。人を死刑にでき、政治家を追い落とすこともできる。だからこそ志高く、能力のある人が担わないといけない。票にも金にもならないが、全体を見られる政治家に真剣に考えてもらいたい」と訴える。
 すでに自民党の司法制度調査会や、法曹養成と法曹人口を考える国会議員の会、民主党でも同様のプロジェクトチームが動き、一部では提言もまとめており、今後に注目も集まる。

低競争率の大学院に狭まる“包囲網”…対策は
 こうしたなか、伊藤氏は司法試験の受験資格から法科大学院修了の条件を撤廃する策をあげる。「個人で勉強する、受験指導校で学ぶ、法科大学院で学ぶ。人それぞれ。その後の仕事ぶりで法科大学院組が優位となれば存在意義もある」。さらに、「司法試験の合格者を司法研修所の代わりに法科大学院に入れ、修了すれば法曹になれる仕組みもいい」との案も。
 特別委の報告書では、競争倍率2倍未満の学校に早急な定員見直しを求めた。ただ、該当する法科大学院のひとつは、「定員の数は経営にも直結する問題で、数を減らせばそれだけいい人が入ってもこなくなる」と追い込まれそうだ。
 同じ定員削減案でも「各校単位でなく、(業界)全体で考えなくてはいけないこと」というのは、北海学園大学法科大学院の丸山治法務研究科長。「大学院の数を少数精鋭で中央集権的にするか、現状のまま各校が定員を減らすか。混乱が少ないのは後者」としたうえで、定員の基本を50人規模と提案する。
 「うちのように小さいところで20~30人、多くても倍の100人まで。それより多い大規模校が減らせば優秀な人材が他校に流れ、合格率が低かった学校もよくなる。入学者の質を確保した後、そこから教育面で自由競争になればいい」
 だが、“包囲網”はさらに狭まる気配だ。
 23年度から従来の司法試験に代わって導入される「予備試験」は、法科大学院修了以外で司法試験受験資格を得られる“バイパス”。法務省では「予備試験の合格者数や、予備試験組の司法試験合格率などはまったくわからない」というが、その合格率がよければ、法科大学院には脅威になりそうだ。
搾取種し責任も持たない…消費者への責任も
 評価機関による法科大学院の認証評価は今年度で一巡する。昨年度までに受けた68校の約3割、22校が「不適合」だったが、二巡目の重点評価項目として「修了者の進路(司法試験合格状況を含む)」が新たに加えられ、実績のない大学院はさらに厳しくなる。
 米国のロースクール認定基準には、司法試験に合格する見込みのない入学希望者や学生を入学させたり、在学させ続けたりしてはいけないという「消費者保護的な考え方」があるという。
 単純に比較はできないが、「このままでは、日本は(司法試験合格の)希望のない学生から搾取し、進路にも責任を持たないと言われかねない」(法曹関係者)。
 文科省の担当者は、現状について「全体としてはいい制度で、ロースクールになって昔の試験より合格率がよくなった学校もある。逆に厳しくなっているところと徐々に分かれてきているので…」と自由競争の行方を見定めている様子。
 各法科大学院の今後を左右する今年の新司法試験はすでに終了している。
 合格発表は9月10日だ。

2009年6月6日土曜日

5年以内に3回まで

法科大学院修了者が受けることのできる新司法試験を受けるのを控えている人が増えている。
その理由は、回数制限があるからだそうで、5年以内に3回までと決まっている。慎重派が多いんですね。
こうなると、ある特定の年度に多くなってしまうことも考えられますね。
それも駆け引きの一つなのかしら?

◆新司法試験、短答合格率68% 回数制限で受け控えも(2009年6月5日 asahi.com)

 法務省は4日、法科大学院の修了者が受ける「新司法試験」の短答式試験に、受験者7392人のうちの5055人(約68%)が合格したと発表した。合格者の年齢は23~69歳と幅広かったが、平均すると30.4歳。女性が約25%を占めた。

 今後、短答式試験の合格者を対象に論文試験の採点が行われ、最終合格者は2500~2900人に絞られ、9月10日に発表される。

 新試験としては4回目だったが、法科大学院を修了した出願者のうち実際に受験した割合は毎回下がる一方で、今年は過去最低の77.3%に。「5年以内に3回まで」という受験の回数制限があるためで、修了者の一部にある「受け控え傾向」が強まっているとみられている。

 合格者数は多い順に、東京大333人(受験者389人)▽中央大292人(同373人)▽慶応大266人(同317人)▽早稲田大266人(同380人)▽明治大241人(同310人)だった。

2009年6月3日水曜日

合格者の数

法曹界というか、弁護士の数を増やそうとしている政府の思惑と、実際の現場での教育環境にはかなりのズレができてしまっているのではないでしょうか。

各大学院とも整った環境でないにも関わらず、ここ数年は生徒を過剰に取り込み過ぎていたという現状をまずは改善するようです。

◆法科大学院定員18%減、予定なし6校…10~11年度計画
(2009年4月23日 読売新聞)

 全国74校の法科大学院が2010~11年度にかけて実施する定員削減計画の概要が22日、明らかになった。
 計画により、総定員は現在の5765人から約18%減の4700人台となる見通しだ。
 法科大学院を巡っては、過剰な定員が司法試験の合格率低迷を招いたと指摘されており、中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)特別委員会が、定員を絞って教育の質を向上させるため、抜本的な定員削減を求めている。日本弁護士連合会も定員を4000人程度に削減するよう提言しており、削減数の上積みを求める声があがりそうだ。
 調査は法科大学院協会が74校を対象に、今年1月と3月にアンケート方式で行った。
 このうち、具体的な削減計画を明らかにしたのは41校の622人。削減の方向だが具体的な人数を決めていない大学院が22校あり、同協会関係者は最終的な削減数は1000人程度になると見ている。
 削減幅が最も大きいのは、新潟と神戸学院の41・7%、次いで鹿児島、東北学院、広島修道、福岡(09年度に削減)の40%だった。削減予定が「ない」と回答したのは、すべて私立で、専修、日本、立教など6校。
 08年の新司法試験合格率別では、1位の一橋(合格率61%)と2位の慶応(57%)は「検討中」で、3位の中央(56%)は削減予定なしとしている。
 一方、過去3回の新司法試験で1人しか合格者を出していない姫路独協は、09年度に既に定員を40人から30人に減らしている。08年の合格者がゼロだった信州と愛知学院は、信州が「検討中」、愛知学院は「最小11・4%、最大20%減」とした。

債務整理の体験談サイトを見つけました。
リアルな声って、貴重ですね。

2009年6月2日火曜日

法科大学院-700人削減へ

合格率の低迷により定員削減を行う法科大学院が9割に上るそうで。。
現段階で人数は700人程度で、今後さらに増え最終的には1000人とされている。

学生の質を確保し、少しでも高い合格率を出すことが急務となっているのは、
やはり当初の目標とはかけ離れた現在の合格率の低さが背景にあるでしょう。

法科大学院という名前を掲げている以上、その道のプロを育てていかなくては社会に認めてもらえませんからね。

◆法科大学院、700人削減へ 22年度定員 司法試験合格率低迷で
(2009年6月1日 産経新聞)

 法科大学院74校のうち、約9割にあたる65校が平成22年度以降に定員削減を予定もしくは検討しており、22年度の総定員数は現在の5765人から700人程度減少する見通しであることが1日、法科大学院協会の調査でわかった。
 法科大学院は20年度、74校中46校が定員割れし、司法試験合格率は33%と低迷。中教審の特別委員会は抜本的な定数削減や、「適性試験」で最低基準を設けることを求め、日弁連も定員を4000人まで削減するよう提言している。同協会は最終的な削減数は計1000人程度とみている。
 調査は同協会が1~3月、全74校にアンケートを実施(うち1校は公表拒否)。具体的な削減計画を示したのは47校で、検討中としたのが18校あった。
 削減率が最も大きいのは新潟と神戸学院の2校で、41・7%減。ほかに鹿児島、東北学院、広島修道、神奈川の計6校が4割以上削減する。
 一方、削減予定がないとしたのは中央や立教など私立5校。関東学院、姫路独協、福岡の3校は今年度から定員削減を行っている。
 20年度の新司法試験合格者がゼロだった信州と愛知学院は、信州が「検討中」、愛知学院が「20~11・4%減」としている。
 入学者選抜について適性試験の比重を上げたり、論述試験を充実させるといった改善をしているとしたのは約8割の59校。成績評価についても62校が再試験廃止などの工夫をしていると答えた。
       ◇
【法科大学院の定員削減予定】           
削減率       院数  学校名              
4割以上       6  新潟、鹿児島、東北学院、神戸学院、広島修道、神奈川
4割未満~2割超 10  金沢、静岡、学習院、創価など   
2割         21  北海道、東京、京都、筑波など   
2割未満      10  一橋、神戸、青山学院など     
検討中       18  東北、信州、首都大学東京、慶応など
予定なし       5  北海学園、専修、中央、立教など  
削減済み      3  関東学院、福岡、姫路独協     
(法科大学院協会まとめ)    

2009年5月21日木曜日

1億円かけてフリーターに・・・

大学院生の就職難は結構耳にしますね。
博士課程を修了していることが邪魔・・・と言っては失礼ですが、その学歴が就職に有利に働いているわけではないという話を実際に聞くこともあります。

司法修習生の数を増やしたり、大学院生の数を増やしたりと足りない声にこたえて増やすだけ増やして、その後のことは全く考えてくれてないって失礼な話ですよね。

◆1億円かけてフリーター 大学院生「今の半分で十分」(5月17日 J-CAST)

大学院の修士・博士課程を修了しても安定的な就職先が見つからず、フリーター化している人たちが増えている。こうした高学歴ワーキングプアの人たちが生み出される背景には、国の「大学院生倍増加計画」が指摘されている。一方で、「博士の数はまだ足りない」という研究者や文部科学省内の声もある。どうすればいいのか。産学連携に関する人材コンサルティングに取り組んでいる企業「フューチャーラボラトリ」の橋本昌隆社長に聞いた。

誰でも入れて誰でも博士号を取れる

――大学研究者だけでなく、企業などで活躍できる専門知識を備えた人材を育成しようと、国は1991年度から10年間で大学院生を倍増化する計画を 進め、増加傾向は10年後以降も続いています。91年度に9万9000人弱だった院在学者数は、2000年度20万5000人、08年度は26万3000 人弱と、91年度の2.65倍に増えました。院生の数はまだ足りないのでしょうか。

橋本 全体としては明らかに多すぎます。大学院は間口を大きく開けた一方で、大学院教育の質を全く上げてきま せんでした。その結果、従来どおりの出口としての大学研究者ポストや企業採用の枠は基本的に増えていません。当然、就職できなかったり、できても期間限定 という不安定な状態でしか仕事ができなかったりする人たちが増えてきました。
博士の学位を取った後、任期付きなど安定的でない研究職に携わる人に限ったいわゆる「ポスドク」、ポストドクターだけでも1万7000人程度、さら に「隠れポスドク」が相当数いると見られています。大学4年間から大学院5年間、さらにポスドクの任期3年を2回やった場合、累計15年間で1人あたり1 億円も国費が投入されたことになるという試算もあります。こうした人材のうち少なからぬ人数がフリーター化している訳で、なんとももったいない話です。

――ではどの程度削減すればいいのでしょうか。

橋本 今の半分程度、つまり倍増加する前のレベルで十分だと思っています。もちろん実際には、分野によって人材供給が著しく過剰なところもあれば、もっと供給を増やすべきところもあります。ですが、全体としては半分に減らしても余裕で需要をまかなえます。

――しかし、まだ院生や博士の数は足りない、欧米先進国に比べ1000人あたりの博士の数は日本は少ない、と指摘する人もいます。

橋本 よく耳にしますが、不毛な議論です。アメリカの「博士」と日本の「博士」とは質がまったく異なります。同じ「博士」という言葉で議論するのは建設的ではありません。研究業績を出す力とマネジメント力など総合力をみると、アメリカの博士の方が圧倒的に優れています。
その大きな要因は「競争」にあります。アメリカではまず大学院に入る際、3倍ぐらいの厳しい選抜をくぐり抜け、さらに厳しい勉強で鍛えられドロップ アウト組が結構出ます。博士号を取れるのは半分ぐらいでしょうか。一方、日本の院は、誰でも入れて誰でも博士号を取れるといって過言ではない、ぬるま湯の ような状態です。入るときの倍率は0.7倍、そして入ってしまえば9割ぐらいは博士号を取ることができます。よく「日本の大学は入るのは難しいが出るのは 簡単」と言われてきましたが、今の大学院は入るのも出るのも簡単というわけです。こんなに違いのある人材を同列に並べ、数だけ問題にしたところで、何も解 決しません。

文系の場合、就職できないのは自己責任

――就職できないのは、コミュニケーション能力がないなど、院修了者本人に問題があるのだ、とする「自己責任論」も耳にします。

橋本 まず理系の話をします。自己責任論は間違いです。この問題は明らかに、就職という出口のことをきちんと 考えないまま、しかも学生たちには明るい希望があるかのように誘導した国策の誤りです。少子化が進む中、大学院生を増やすことで関連予算枠を守り、そして 自分たちの影響力を維持しようという文部科学省の「裏ミッション」だったのではないか。私が仕事で接する企業や研究者、他省庁の人たちからそんな話を聞く こともあります。

――文系についてはどうですか。

橋本 文系のケースでは全く逆で、就職できないのは自己責任だと思っています。文系で修士・博士課程をとって も就職が厳しい状況は以前から分かっていたことで、それが好転する見込みがない事も明らかでした。学部を卒業する際に就職が厳しい時期だったため、経済情 勢の好転を待って院へ進む、というパターンが結構あったと言われていますが、文系の場合はその議論は不毛です。その判断の結果責任は自分にあると言われて も仕方ない気がします。法科大学院の定員は新しい問題ですが、こちらは早くも大幅削減の見通しが報道されています。

――大学院生数が多すぎることの弊害は、当人たちの就職問題以外にもありますか。

橋本 日本の研究のクオリティが低下していきます。低競争の中に身を置いていると、トップの層の堕落も始まり ます。研究費がトップ層に十分に回らない可能性も出てきます。最近接した理系の大学生からは「博士課程にいくと人生終わる」と、博士課程に進んだ先輩を見 ての感想を聞かされました。こうした空気が広く蔓延するのは日本のためになりません。院生数の総枠削減と適正配置を真剣に検討すべきです。