実績、知名度等が低い大学院の現場は大荒れなようですね。
学びたくても金銭面で学べない優秀な人はいると思いますよ。
ただ、結構多くの人が授業料減額、免除となっていると、安さで学生を集めている印象になり、あまり良い感じしないんですけど・・・
それにしても、個室自習室にノートパソコン、家具つき寮なんて学生には贅沢過ぎる環境ですね。
◆法科大学院(3)学費支援 揺れる現場(2009年2月13日 読売新聞)
法科大学院は学生をどう支援しているのか。
定期試験が終わったばかりの今月4日、山梨学院大学法科大学院(甲府市)の自習室は学生で埋まっていた。1学年の定員が40、現学生数96人の同大学院では、24時間使える図書室に学生の人数分の自習机が確保されている。
自習机のうち40は個室で、最上級生が優先的に使える。ノートパソコンは全員に無償貸与されている。しかも、徒歩3分の場所に家具付き、家賃2万円の寮があり、87人がこの恩恵に預かっている。
さらに、成績優秀者には、初年度だと150万円になる学費を全額ないし半額免除とする制度がある。現在、全額は31人、半額は29人が対象だ。この学生たちは寮費も免除されている。加えて、大学院修了後も寮や自習室を使える仕組みも用意している。
赤字は当然だが、「法曹養成で実績がないだけに、当初から、意欲や能力があるのに経済的に環境の厳しい学生を積極的に受け入れたいと考えた」(荒牧重人・法務研究科長)。
面倒見のよさは、おおむね好評だ。北海道出身で、公務員を辞めて旧司法試験に挑んできた近藤徹さん(40)は「この大学院に入ることが最後のチャンスだと思った」、福岡県出身の下吹越淑子(しもひごしよしこ)さん(35)は「身ひとつで来て、安全な環境で学べるのがありがたい」と語る。「他の奨学金と合わせて経済面の心配はありません。後は自分がどう勉学に打ち込むかです」と東京出身の印南(いんなみ)真吾さん(31)。
山梨学院では、1年目から「地域社会と法」といった授業を設けるなど、「地域にねざした法曹養成」を意識している。こうした姿勢と学生支援体制とが相まって、全国から集まった学生たちから、「山梨が好きになった」「もし、弁護士として開業するなら、候補地の一つ」という声もあがる。
◎
2009年度から、法学の基本知識がある既修者コースの新入生全員に、入学金を含む学費(151万3000円)を全額免除する――。青山学院大学法科大学院(東京・渋谷)が事実上の学費無償化となる給付奨学金制度の導入を発表したのは昨年6月だった。
1学年の定員は既修者20、未修者40。大学院には「優秀な既修者に未修者を刺激してほしい」(山崎敏彦・法務研究科長)という思いがあった。しかし、ふたを開けてみると、既修者コースへの志願者そのものが激減した。07年度168人、08年度104人に対し、09年度は17人。
元々、既修者としての成績を厳格に見る選考をしてきた。合格者は07年度4人、08年度3人。09年度の合格者2人には、山崎研究科長自身も「未修者の手本になってほしい」と期待を伝えたが、入学手続きはされないままだ。
高額な学費の大学院に、社会人などの幅広い層の学生を集めるには、充実した支援策は欠かせない。一方で、学費のディスカウントには「学生集めのためだ」という批判も出る。
さじ加減は極めて難しい。(中西茂、向井ゆう子)
学費と奨学金 法科大学院の初年度納付金は国立が一律108万6000円、私立は150~160万円台が多いが、200万円を超える大学もある。2007年度で日本学生支援機構の貸与奨学金を在学生の約6割、約8200人が利用する。大半の大学が独自に学費減免制度や貸与奨学金を設けており、地元弁護士らが奨学金を設けた例もある。
2009年2月14日土曜日
定員割れとプライド
各大学で強い分野というか売りの分野ってありますよね。
法科大学院を設置している大学は70校にも上りますが、法科大学院設置以前の実績というのは何としても守りたいプライドですね。
世間での評価というのは数字ですから、何としても合格率を上げたいと各大学躍起になっていますが、本来の目的・本当の教育とかけ離れないように気を付けてもらいたいですね。
◆法科大学院 (2)数も質も 伝統校の模索(2009年2月12日 読売新聞)
多数の法曹を輩出してきた伝統校も厳しい競争にさらされている。
法科大学院の定員数には、各校のプライドがにじむ。東京大、早稲田大、中央大。1学年の定員が最大の300人を数える3校は「ビッグ・ロースクール」と呼ばれる。
1月の夜。静まりかえった中大の市ヶ谷キャンパス(東京都新宿区)にある法科大学院の教室で、1年生9人が本田宗哉さん(36)の話に聞き入っていた。2005年度の修了生で、1年前に弁護士登録したばかり。実務講師として後進の指導にあたる。
中大は、日本の法曹の5分の1、弁護士の4分の1を生み出してきた。そんな伝統校の売り物は、本田さんのような先輩12人が、課外で1年生の学修を支援する「フォローアップ演習」だ。
中大は、法律の基本知識がある既修者コース200人、未修者コース100人を募集している。演習の対象である未修者の1年生の8割が受講。2週間に1回、2時間ずつ、1年生で学ぶ「民法」「刑法」など基本科目について、授業の進度に合わせ、疑問に答えたり、復習したりする。
実際に新司法試験を突破した先輩の話を聞けるチャンスでもある。本田さんも演習後、学生と近くの中華料理店で懇談するのが恒例だ。学生の悩みや不安も受け止める。
「勉強の仕方で相談にも乗ってもらえるし、法曹として活躍する話が聞けて励みになる」と受講者の白木規章さん(31)。本田さんも「母校に恩返しがしたかった。学生の姿を見て、仕事でくじけそうな時に、初心を思い出し勇気づけられる事もある」と言う。
◎
早大法科大学院の入試は特徴的だ。書類選考の後、「携帯電話の学校持ち込み」「離婚調停」といった大学側が与える場面について、受験生一人一人と教授2人が議論する。法律知識は一切問わず、コミュニケーション能力と論理的思考力を見る。
既修、未修ごとに定員を定めて募集していない。合格してから学内の認定試験で既修と判定されれば2年で卒業できるが、現実にはほとんどの学生が未修者だった。
その早大が昨年12月、2011年度から既修者コースを設けると発表し、他大学を驚かせた。既修者を定員全体の半分程度にする。
未修者コース修了生が初めて受験した07年の新司法試験。早大の合格者は115人で、東大の178人、中大153人に水をあけられた。合格者のうち既修者(浪人生を除く)は8人で、東大では115人、中大では89人が既修者だったのと対照的だった。
早大の教務主任、古谷修一教授(50)は「一般に流布するのは合格者の数。早稲田は通りにくいと受験生に敬遠されてしまう」と心配する。
だが、大学が既修者に力を注ぎすぎれば、多様な人材が法曹を目指すという制度の理念が揺らぐ。早大の入試合格者に占める社会人の割合は、04年度35・6%だったが、09年度には14・7%に減った。
合格者数だけに目を向けると「質」を見失いかねない。
定員と志願倍率 法科大学院制度が発足した2004年度は68校で総定員は5590。入学者数は定員を177人上回った。しかし、74校になった翌年度以降は定員割れが続き、08年度の総定員5795に対し、入学者は398人少ない。最小規模は定員30で10校ある。04年度に7万2800人だった志願者数は、08年度は3万9555人まで落ち込んだ。
法科大学院を設置している大学は70校にも上りますが、法科大学院設置以前の実績というのは何としても守りたいプライドですね。
世間での評価というのは数字ですから、何としても合格率を上げたいと各大学躍起になっていますが、本来の目的・本当の教育とかけ離れないように気を付けてもらいたいですね。
◆法科大学院 (2)数も質も 伝統校の模索(2009年2月12日 読売新聞)
多数の法曹を輩出してきた伝統校も厳しい競争にさらされている。
法科大学院の定員数には、各校のプライドがにじむ。東京大、早稲田大、中央大。1学年の定員が最大の300人を数える3校は「ビッグ・ロースクール」と呼ばれる。
1月の夜。静まりかえった中大の市ヶ谷キャンパス(東京都新宿区)にある法科大学院の教室で、1年生9人が本田宗哉さん(36)の話に聞き入っていた。2005年度の修了生で、1年前に弁護士登録したばかり。実務講師として後進の指導にあたる。
中大は、日本の法曹の5分の1、弁護士の4分の1を生み出してきた。そんな伝統校の売り物は、本田さんのような先輩12人が、課外で1年生の学修を支援する「フォローアップ演習」だ。
中大は、法律の基本知識がある既修者コース200人、未修者コース100人を募集している。演習の対象である未修者の1年生の8割が受講。2週間に1回、2時間ずつ、1年生で学ぶ「民法」「刑法」など基本科目について、授業の進度に合わせ、疑問に答えたり、復習したりする。
実際に新司法試験を突破した先輩の話を聞けるチャンスでもある。本田さんも演習後、学生と近くの中華料理店で懇談するのが恒例だ。学生の悩みや不安も受け止める。
「勉強の仕方で相談にも乗ってもらえるし、法曹として活躍する話が聞けて励みになる」と受講者の白木規章さん(31)。本田さんも「母校に恩返しがしたかった。学生の姿を見て、仕事でくじけそうな時に、初心を思い出し勇気づけられる事もある」と言う。
◎
早大法科大学院の入試は特徴的だ。書類選考の後、「携帯電話の学校持ち込み」「離婚調停」といった大学側が与える場面について、受験生一人一人と教授2人が議論する。法律知識は一切問わず、コミュニケーション能力と論理的思考力を見る。
既修、未修ごとに定員を定めて募集していない。合格してから学内の認定試験で既修と判定されれば2年で卒業できるが、現実にはほとんどの学生が未修者だった。
その早大が昨年12月、2011年度から既修者コースを設けると発表し、他大学を驚かせた。既修者を定員全体の半分程度にする。
未修者コース修了生が初めて受験した07年の新司法試験。早大の合格者は115人で、東大の178人、中大153人に水をあけられた。合格者のうち既修者(浪人生を除く)は8人で、東大では115人、中大では89人が既修者だったのと対照的だった。
早大の教務主任、古谷修一教授(50)は「一般に流布するのは合格者の数。早稲田は通りにくいと受験生に敬遠されてしまう」と心配する。
だが、大学が既修者に力を注ぎすぎれば、多様な人材が法曹を目指すという制度の理念が揺らぐ。早大の入試合格者に占める社会人の割合は、04年度35・6%だったが、09年度には14・7%に減った。
合格者数だけに目を向けると「質」を見失いかねない。
定員と志願倍率 法科大学院制度が発足した2004年度は68校で総定員は5590。入学者数は定員を177人上回った。しかし、74校になった翌年度以降は定員割れが続き、08年度の総定員5795に対し、入学者は398人少ない。最小規模は定員30で10校ある。04年度に7万2800人だった志願者数は、08年度は3万9555人まで落ち込んだ。
2009年2月13日金曜日
教育と試験は別物?
質の良い教育と試験の点数や合格率が一致していればいいんですが・・・
法科大学院の理想は、より実践的な力を養いつつ、司法試験に合格するということでしたが、合格率が何とも低い。
教育の内容も各大学院によってかなりの差があるようですし、うまくいっているところから学ぶということで少しは改善できるのではないでしょうか?
◆法科大学院(1)理想の教育 合格率の現実(2009年2月11日 読売新聞)
法科大学院制度が、理想と現実のはざまで揺れている。
「異議あり! 誘導です」と弁護人席から声が飛ぶ。「記憶を喚起するためです」と検察官席。両者にらみ合いの後、裁判官役が「尋問の方法を変えて下さい」と促した。
大宮法科大学院(さいたま市)の法廷教室で昨年12月に行われた模擬法廷授業。弁護士の黒田純吉教授(59)が担当する「刑事訴訟実務」の講義だ。2年生10人が参加し、殺人未遂事件の裁判を3者に分かれて熱演した。ホワイトボードに図を描いて位置関係を説明し、おもちゃの包丁で犯行を再現するなど、裁判員制度も意識した。「3日間練習したけど思ったようには進まなかった。もう1回やってみたい」と検察官役の小泉真知子さん(28)。
1週間前には、婦女暴行事件の公判記録と刑事訴訟法の条文を基に、弁護人がどんな場面で異議申し立てを行っているのか、裁判官がどんな状況で申し立てを認めるのかを学んだ。
裁判で問われるのは、法律という道具を使って問題を解決する力。授業でも、尋問の「技術」ではなく、実際の裁判で問われる「思考力」を磨こうとしているのだという。
◎
大宮法科大学院は2004年、埼玉県で小学校から大学まで運営する学校法人佐藤栄(さとえ)学園が、第2東京弁護士会(東京都)と提携して開学した。
合言葉は「弁護士が弁護士を育てる」。法科大学院は、専任教員の3割程度以上を実務経験のある教員とする規定があるが、大宮では、30人のうち18人が現役の弁護士。このうち16人は第2東京弁護士会所属だ。
法科大学院には、既修者コースと未修者コースがあるが、大宮には、法律の基本知識があって2年で終える既修者コースはなく、基本から3年間学ぶ未修者コースだけだ。社会人向けに夜間コースにも力を入れる。
法科大学院では、弁護士の指導を受けながら、実際の事件を請け負って訴訟実務を学ぶ科目「リーガル・クリニック」もある。大宮では特に、年間を通して、希望者全員が受講できる。さいたま市で開業していた萩原猛弁護士(53)(教授)が学内に法律事務所を開いて常駐しているからだ。他の教授陣もかかわって実際の訴訟手続きを行っており、刑事事件だけでも、年間約30件のうち3分の1に学生がかかわる。
こうした特徴から、大宮は「法科大学院の精神を最も忠実に表した大学院だ」と説明する。
◎
だが司法試験合格率という現実がある。1期生97人のうち3年での修了生は64人で、07年には43人が受験し、合格者は6人にとどまった。08年の合格者は16人と伸びたが、合格率では74校ある法科大学院の中で42位だった。
設立構想時に、第2東京弁護士会長として深くかかわった久保利英明教授(64)は、「大宮の司法試験合格者は学校の成績上位者。授業でしっかりと学ぶことが司法試験対策になっている」と断言する。「未修者コースの修了者は、今年1月に法曹として働き始めたばかり。人間的にも優れた法曹を育てている自信がある。長い目で判断してほしい」 法科大学院協会、文部科学省と法曹三者は、法科大学院の成績と新司法試験の合格率の相関性も調べている。
腰を据えて理想の行く末を見届けるか、不合格者が積み重なる現実を危機ととらえるか。関係者の意見は分かれる。法科大学院制度が岐路に立たされていることは間違いない。
既修者コースと未修者コース 憲法、刑事法、民事法など、法学の基礎を修得済みと法科大学院が認定した場合、既修者コースとなる。未修者とコースを分けている大学院が多い。既修者は、法学部出身や旧司法試験対策を行ってきた学生が主で、現状では新試験突破にも有利とされる。
9割が「定員削減含め検討」
法科大学院は、裁判員制度とともに、政府が推進する司法制度改革の柱の一つ。米国のロースクールをモデルに2004年に誕生した。10年までに新司法試験合格者を3000人に増やすという02年の閣議決定と連動している。
合格率2~3%の超難関で知られる旧司法試験が知識を問う暗記型だったことの反省から試験内容も見直し、法科大学院には、広く法曹への門戸を開き、法学部以外の出身者や社会人を入学者の3割以上とすることを求めた。
現在の総定員は74校で5795人にまで膨らんだ。その結果、当初7~8割とされていた修了者の新司法試験合格率は3~4割と低迷を続けている。このため、文部科学省の中央教育審議会は昨年9月、各校の定員削減に言及する報告を、日本弁護士連合会も今年1月、定員削減や統廃合を求める提言をまとめた。文科省が昨年12月までに実施した各校へのヒアリングでは、9割の法科大学院が「定員削減を含めて検討中」と答えた。国立は1~2割減の方向で検討しているとされる。
法科大学院の理想は、より実践的な力を養いつつ、司法試験に合格するということでしたが、合格率が何とも低い。
教育の内容も各大学院によってかなりの差があるようですし、うまくいっているところから学ぶということで少しは改善できるのではないでしょうか?
◆法科大学院(1)理想の教育 合格率の現実(2009年2月11日 読売新聞)
法科大学院制度が、理想と現実のはざまで揺れている。
「異議あり! 誘導です」と弁護人席から声が飛ぶ。「記憶を喚起するためです」と検察官席。両者にらみ合いの後、裁判官役が「尋問の方法を変えて下さい」と促した。
大宮法科大学院(さいたま市)の法廷教室で昨年12月に行われた模擬法廷授業。弁護士の黒田純吉教授(59)が担当する「刑事訴訟実務」の講義だ。2年生10人が参加し、殺人未遂事件の裁判を3者に分かれて熱演した。ホワイトボードに図を描いて位置関係を説明し、おもちゃの包丁で犯行を再現するなど、裁判員制度も意識した。「3日間練習したけど思ったようには進まなかった。もう1回やってみたい」と検察官役の小泉真知子さん(28)。
1週間前には、婦女暴行事件の公判記録と刑事訴訟法の条文を基に、弁護人がどんな場面で異議申し立てを行っているのか、裁判官がどんな状況で申し立てを認めるのかを学んだ。
裁判で問われるのは、法律という道具を使って問題を解決する力。授業でも、尋問の「技術」ではなく、実際の裁判で問われる「思考力」を磨こうとしているのだという。
◎
大宮法科大学院は2004年、埼玉県で小学校から大学まで運営する学校法人佐藤栄(さとえ)学園が、第2東京弁護士会(東京都)と提携して開学した。
合言葉は「弁護士が弁護士を育てる」。法科大学院は、専任教員の3割程度以上を実務経験のある教員とする規定があるが、大宮では、30人のうち18人が現役の弁護士。このうち16人は第2東京弁護士会所属だ。
法科大学院には、既修者コースと未修者コースがあるが、大宮には、法律の基本知識があって2年で終える既修者コースはなく、基本から3年間学ぶ未修者コースだけだ。社会人向けに夜間コースにも力を入れる。
法科大学院では、弁護士の指導を受けながら、実際の事件を請け負って訴訟実務を学ぶ科目「リーガル・クリニック」もある。大宮では特に、年間を通して、希望者全員が受講できる。さいたま市で開業していた萩原猛弁護士(53)(教授)が学内に法律事務所を開いて常駐しているからだ。他の教授陣もかかわって実際の訴訟手続きを行っており、刑事事件だけでも、年間約30件のうち3分の1に学生がかかわる。
こうした特徴から、大宮は「法科大学院の精神を最も忠実に表した大学院だ」と説明する。
◎
だが司法試験合格率という現実がある。1期生97人のうち3年での修了生は64人で、07年には43人が受験し、合格者は6人にとどまった。08年の合格者は16人と伸びたが、合格率では74校ある法科大学院の中で42位だった。
設立構想時に、第2東京弁護士会長として深くかかわった久保利英明教授(64)は、「大宮の司法試験合格者は学校の成績上位者。授業でしっかりと学ぶことが司法試験対策になっている」と断言する。「未修者コースの修了者は、今年1月に法曹として働き始めたばかり。人間的にも優れた法曹を育てている自信がある。長い目で判断してほしい」 法科大学院協会、文部科学省と法曹三者は、法科大学院の成績と新司法試験の合格率の相関性も調べている。
腰を据えて理想の行く末を見届けるか、不合格者が積み重なる現実を危機ととらえるか。関係者の意見は分かれる。法科大学院制度が岐路に立たされていることは間違いない。
既修者コースと未修者コース 憲法、刑事法、民事法など、法学の基礎を修得済みと法科大学院が認定した場合、既修者コースとなる。未修者とコースを分けている大学院が多い。既修者は、法学部出身や旧司法試験対策を行ってきた学生が主で、現状では新試験突破にも有利とされる。
9割が「定員削減含め検討」
法科大学院は、裁判員制度とともに、政府が推進する司法制度改革の柱の一つ。米国のロースクールをモデルに2004年に誕生した。10年までに新司法試験合格者を3000人に増やすという02年の閣議決定と連動している。
合格率2~3%の超難関で知られる旧司法試験が知識を問う暗記型だったことの反省から試験内容も見直し、法科大学院には、広く法曹への門戸を開き、法学部以外の出身者や社会人を入学者の3割以上とすることを求めた。
現在の総定員は74校で5795人にまで膨らんだ。その結果、当初7~8割とされていた修了者の新司法試験合格率は3~4割と低迷を続けている。このため、文部科学省の中央教育審議会は昨年9月、各校の定員削減に言及する報告を、日本弁護士連合会も今年1月、定員削減や統廃合を求める提言をまとめた。文科省が昨年12月までに実施した各校へのヒアリングでは、9割の法科大学院が「定員削減を含めて検討中」と答えた。国立は1~2割減の方向で検討しているとされる。
2009年1月18日日曜日
地方で育てるということの意味
地方で一定数の数の弁護士を育てて弁護士の地方過疎をなくそうというのが大きな狙いとしてあった法科大学院ですが、実際には都会の名門校からの合格が多いのは事実ですし、無理して授業を行っている結果、学習の環境は十分でないという評価もされている以上無理やり地方でという考えやめた方がいいのでは?
地方で育ったから地方にいるという考えだってちょっと甘いですし。
そんなに愛着もてるんだったらこんなにも若者は都会目指して上京してきませんよ。
◆法科大学院:教員足りず質低下 乱立で合格率低迷(2009年1月8日 毎日新聞)
訴訟社会の到来を見越して法曹人口を増やそうと設置された法科大学院が、定員の見直しや再編を迫られている。7~8割を目指した新司法試験の合格率が3割程度に低迷しているからだ。背景として、法科大学院自体の乱立による質の低下が指摘されている。裁判員裁判などの司法制度改革を控え、危機感を抱いた国は少数精鋭化に向けた定員削減を求めた。各校は2月以降、10年度の新定員を順次発表する予定だ。
◇学校間格差も顕著
「修了者の7~8割が合格するという話を信じたが、現実は違った」。新試験に3回挑戦し、いずれも不合格だった埼玉県の40代の男性は肩を落とした。
法学部生時代から法曹を目指し、旧試験も十数回受験した。あきらめきれず、04年に新設された東京都内の法科大学院に進んだ。だが、新試験には「法科大学院修了後、5年で3回」という受験制限があり、昨年9月の3回目の失敗で受験資格を失った。
新試験の合格者は、初年の06年1009人(合格率48%)▽07年1851人(同40%)▽08年2065人(同33%)で、合格率は予想を大きく下回った。
政府は02年、司法制度改革審議会の意見を踏まえ、年1000人程度の合格者を、10年までに年3000人程度に増やすことを閣議決定した。法務省幹部は「試験の成績をみる限り、目標実現は簡単ではない」と認める。
一握りの上位校と下位校の実力差も歴然だ。合格率別学校数は60%台が1校(一橋大)、50%台が4校だったのに対し、10%台は21校、10%未満は9校、ゼロも3校あった。合格者数でみても、東京、中央、慶応、早稲田、京都の上位5校が全体の4割を占めた。
当初想定された法科大学院の総定員は4000人程度。しかし、多くの大学が学生を呼び込む経営戦略の看板と位置づけたため、設立された法科大学院は74校に上り、総定員は約5800人に膨れ上がった。その結果、学生の質の維持が難しくなり、専任教員や実務家教員として期待された現職の検事や弁護士、裁判官は不足した。
新司法試験に合格した司法修習生の実力低下も問題になった。08年には1年間の修習終了後の卒業試験で全体の6%に当たる113人が不合格になった。不合格者は翌年の試験まで事実上留年を余儀なくされる。最高裁は「実力にばらつきがあり下位層の数が増加している」と指摘した。
◇定員削減で改善へ
国が念頭に置く法科大学院の改善策は、総定員削減と修了認定厳格化、学校間の連携などだ。少数精鋭化し、優秀な教員を効率的に配置することを目指す。
昨年の文部科学省のヒアリングによると、19校が10年度入試から実際に定員を削減し、49校が定員見直しを検討すると回答した。しかし、文科省は納得せず、先月には事実上全校に定員削減を迫る通知を出した。
中央教育審議会の法科大学院特別委員会も昨年9月、修了認定の厳格化▽適正な専任教員確保▽学校間の教育課程の共同実施などを提言した。
こうした国の方針を受け、法科大学院側も改革に乗りだした。
合格者が3年で1人だけだった姫路独協大(兵庫県姫路市)は、09年度から40人の定員を10人減らすことを決めた。島根、岡山、香川の3大学は、それぞれの法科大学院の共同運営を模索する。当面は共通講義を開くなどして、教員の質の維持や学生の競争意識の喚起を図る。合格者総数が8人にとどまっている島根大法科大学院の三宅孝之研究科長は「弁護士の偏在を解消するためにも、地方で一定の数を養成する必要がある。そのためには時代に応じた変容も大切」と話している。
地方で育ったから地方にいるという考えだってちょっと甘いですし。
そんなに愛着もてるんだったらこんなにも若者は都会目指して上京してきませんよ。
◆法科大学院:教員足りず質低下 乱立で合格率低迷(2009年1月8日 毎日新聞)
訴訟社会の到来を見越して法曹人口を増やそうと設置された法科大学院が、定員の見直しや再編を迫られている。7~8割を目指した新司法試験の合格率が3割程度に低迷しているからだ。背景として、法科大学院自体の乱立による質の低下が指摘されている。裁判員裁判などの司法制度改革を控え、危機感を抱いた国は少数精鋭化に向けた定員削減を求めた。各校は2月以降、10年度の新定員を順次発表する予定だ。
◇学校間格差も顕著
「修了者の7~8割が合格するという話を信じたが、現実は違った」。新試験に3回挑戦し、いずれも不合格だった埼玉県の40代の男性は肩を落とした。
法学部生時代から法曹を目指し、旧試験も十数回受験した。あきらめきれず、04年に新設された東京都内の法科大学院に進んだ。だが、新試験には「法科大学院修了後、5年で3回」という受験制限があり、昨年9月の3回目の失敗で受験資格を失った。
新試験の合格者は、初年の06年1009人(合格率48%)▽07年1851人(同40%)▽08年2065人(同33%)で、合格率は予想を大きく下回った。
政府は02年、司法制度改革審議会の意見を踏まえ、年1000人程度の合格者を、10年までに年3000人程度に増やすことを閣議決定した。法務省幹部は「試験の成績をみる限り、目標実現は簡単ではない」と認める。
一握りの上位校と下位校の実力差も歴然だ。合格率別学校数は60%台が1校(一橋大)、50%台が4校だったのに対し、10%台は21校、10%未満は9校、ゼロも3校あった。合格者数でみても、東京、中央、慶応、早稲田、京都の上位5校が全体の4割を占めた。
当初想定された法科大学院の総定員は4000人程度。しかし、多くの大学が学生を呼び込む経営戦略の看板と位置づけたため、設立された法科大学院は74校に上り、総定員は約5800人に膨れ上がった。その結果、学生の質の維持が難しくなり、専任教員や実務家教員として期待された現職の検事や弁護士、裁判官は不足した。
新司法試験に合格した司法修習生の実力低下も問題になった。08年には1年間の修習終了後の卒業試験で全体の6%に当たる113人が不合格になった。不合格者は翌年の試験まで事実上留年を余儀なくされる。最高裁は「実力にばらつきがあり下位層の数が増加している」と指摘した。
◇定員削減で改善へ
国が念頭に置く法科大学院の改善策は、総定員削減と修了認定厳格化、学校間の連携などだ。少数精鋭化し、優秀な教員を効率的に配置することを目指す。
昨年の文部科学省のヒアリングによると、19校が10年度入試から実際に定員を削減し、49校が定員見直しを検討すると回答した。しかし、文科省は納得せず、先月には事実上全校に定員削減を迫る通知を出した。
中央教育審議会の法科大学院特別委員会も昨年9月、修了認定の厳格化▽適正な専任教員確保▽学校間の教育課程の共同実施などを提言した。
こうした国の方針を受け、法科大学院側も改革に乗りだした。
合格者が3年で1人だけだった姫路独協大(兵庫県姫路市)は、09年度から40人の定員を10人減らすことを決めた。島根、岡山、香川の3大学は、それぞれの法科大学院の共同運営を模索する。当面は共通講義を開くなどして、教員の質の維持や学生の競争意識の喚起を図る。合格者総数が8人にとどまっている島根大法科大学院の三宅孝之研究科長は「弁護士の偏在を解消するためにも、地方で一定の数を養成する必要がある。そのためには時代に応じた変容も大切」と話している。
2009年1月7日水曜日
中央省庁でインターンシップ
一部の大学ではすでに行われているそうだが、
今後の優秀な人材の確保に向けて中央省庁は法科大学院生を対象にインターンシップを行うとのこと。
法曹関係に興味を持っていても就職が困難な現状から考えると、
この制度に参加することで学生の進路が多少広がり良い方向に向くのではないだろうか。
◆霞が関に来れ、法科大院生 中央省庁で就業体験実施(東京新聞 2009年1月4日)
人事院は4日、法科大学院生を対象とした中央省庁でのインターンシップ(就業体験)
を2009年度から実施することを決めた。司法制度改革による弁護士の急増で、法曹資
格を取っても法律事務所などの就職先が見つからない現状を背景に、法科大学院生を霞が
関に呼び込む狙いだ。
中央省庁での就業体験は、政策立案能力の育成を目的に一部の大学が設置している公共
政策大学院を対象にすでに行われている。法科大学院生を受け入れる省庁や人数、期間な
ど詳細は未定だが、夏ごろに数週間、10数人程度を想定。実際の法案作成の作業実習な
どを検討している。
人事院は「司法試験と国家公務員1種試験を両方受験する人もいる。公務員にも関心を
持ちながら法科大学院に進んだ学生もいるはず」と期待。新司法試験の合格率が低迷する
中で、少しでも多くの進路を確保しておきたい大学院側の思惑とも一致し、すでに複数の
大学院が院生の派遣を承諾しているという。
今後の優秀な人材の確保に向けて中央省庁は法科大学院生を対象にインターンシップを行うとのこと。
法曹関係に興味を持っていても就職が困難な現状から考えると、
この制度に参加することで学生の進路が多少広がり良い方向に向くのではないだろうか。
◆霞が関に来れ、法科大院生 中央省庁で就業体験実施(東京新聞 2009年1月4日)
人事院は4日、法科大学院生を対象とした中央省庁でのインターンシップ(就業体験)
を2009年度から実施することを決めた。司法制度改革による弁護士の急増で、法曹資
格を取っても法律事務所などの就職先が見つからない現状を背景に、法科大学院生を霞が
関に呼び込む狙いだ。
中央省庁での就業体験は、政策立案能力の育成を目的に一部の大学が設置している公共
政策大学院を対象にすでに行われている。法科大学院生を受け入れる省庁や人数、期間な
ど詳細は未定だが、夏ごろに数週間、10数人程度を想定。実際の法案作成の作業実習な
どを検討している。
人事院は「司法試験と国家公務員1種試験を両方受験する人もいる。公務員にも関心を
持ちながら法科大学院に進んだ学生もいるはず」と期待。新司法試験の合格率が低迷する
中で、少しでも多くの進路を確保しておきたい大学院側の思惑とも一致し、すでに複数の
大学院が院生の派遣を承諾しているという。
2008年12月10日水曜日
特進コースダメ!
司法制度改革に沿わないとして山梨学院大学の特進コースは消えました。
確かに、知識だけに偏りがちな司法試験に対して、法科大学院ではより実践的なことを学んでいく目標ですから、特進コースっていうのはおかしいですね。
ただ、合格率がこれだけ低いとなんとかしたくなるでしょうね。
◆【山梨】山梨学院大:法学部「特進コース」募集断念 文科省指摘で
(2008年12月6日 毎日新聞)
山梨学院大(古屋忠彦学長)は5日、来年度から新設予定だった法学部「特進コース」の募集を中止すると発表した。特進コースは難関法科大学院合格のための特別カリキュラムが売り物だったが、文部科学省から「司法制度改革の趣旨に沿わない」と指摘され、約70日間で幻となった。
特進コース設置の目的は同大法学部卒業生から初の司法試験合格者を出すこと。東京の司法試験予備校の有名講師による特別カリキュラムを受講できるほか、入学金や授業料の免除などの特典があり、9月25日に発表されたばかりだった。
しかし、司法制度改革の柱となった法科大学院は、知識偏重に陥りがちだった旧司法試験への反省から、ゆとりのある多様な教育を掲げてスタートした。10月に文科省から指摘があり、学内で再検討した結果「法科大学院の予備校のようになるのは、やはり司法改革に逆行している」などの意見が出て中止を決めた。特進コースの定員枠(10人)は、入学金や授業料などを免除するスカラシップ(奨学生)入試に移すという。
さいむ梨のサイトでは債務整理を行って人生の再スタートを切った人たちの話が載っています。
参考になる話がたくさんありますので、どうぞ!
確かに、知識だけに偏りがちな司法試験に対して、法科大学院ではより実践的なことを学んでいく目標ですから、特進コースっていうのはおかしいですね。
ただ、合格率がこれだけ低いとなんとかしたくなるでしょうね。
◆【山梨】山梨学院大:法学部「特進コース」募集断念 文科省指摘で
(2008年12月6日 毎日新聞)
山梨学院大(古屋忠彦学長)は5日、来年度から新設予定だった法学部「特進コース」の募集を中止すると発表した。特進コースは難関法科大学院合格のための特別カリキュラムが売り物だったが、文部科学省から「司法制度改革の趣旨に沿わない」と指摘され、約70日間で幻となった。
特進コース設置の目的は同大法学部卒業生から初の司法試験合格者を出すこと。東京の司法試験予備校の有名講師による特別カリキュラムを受講できるほか、入学金や授業料の免除などの特典があり、9月25日に発表されたばかりだった。
しかし、司法制度改革の柱となった法科大学院は、知識偏重に陥りがちだった旧司法試験への反省から、ゆとりのある多様な教育を掲げてスタートした。10月に文科省から指摘があり、学内で再検討した結果「法科大学院の予備校のようになるのは、やはり司法改革に逆行している」などの意見が出て中止を決めた。特進コースの定員枠(10人)は、入学金や授業料などを免除するスカラシップ(奨学生)入試に移すという。
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